『新しい村』

新しい村/辻村マリナ

蒼い惑星ちいさな星
大きな爆発のあとの話さ
広い荒野に草木はなく
残された者たちの足音だけ

初めの晩にも月は昇り
誰も彼もをあまねく照らす
次の朝には濡れた頬を
黄色い朝日が拭ってゆく

握りしめたこのこぶしを
ひらけば何も無い
けれど胸に手を当てれば
そうさ、まだ何かできる
かも知れない

あいつは木を切るのがうまいらしい
こいつの作る野菜は甘くて美味い
おいらは魚をとるのが得意だ
あの娘に料理をしてもらうのさ

となりの女の作る織物
どんな寒さにも負けやしない
向こうの男の吹く笛の音は
空越え羽広げた鳥が来るほど

握りしめたそのこぶしを
ひらいたなら手を繋ごう
誰もに宿るともしびは
誰かの足元を照らす
かも知れない

やがて新しい生命も生まれ
新しい日常に花を咲かせる
今夜は新しいこの村の
最初の祭りだ皆踊れ

声のかぎり歌い魂で笑い
火を囲み手を繋ぎ祈りをこめて

割れた大地を踏みしめ踊る
ららら
胸の灯りを消さないでくれ
あなたの未来を照らすように

祈りをこめて
願いを込めて
この歌よ空に舞え

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