『OAR』

OAR/辻村マリナ

水平線の遠くに浮かぶ
小さな小さな あなたの舟
右に左に揺られながら
オールをその手に握りしめて

意味のないパーティーばかり大人たちは繰り返していく
今宵もまた舟の上で一度だけの花火が上がる
もう二度と他の誰かの漕ぐ舟は乗りはしないと
決めた者が荒れ狂う海にひとり飛び出していく

水平線の遠くに浮かぶ
小さな小さな あなたの舟
右に左に揺られながら
オールをその手に握りしめて

アメリカの兵隊さんとビールを飲み交わしていた
彼は言った 「三線の音が俺はすごく好きなんだ」と
街を埋める人の波が白黒つけろと声を上げる
波に揺られ沈みそうなこの舟はどこへ行く

金と命天秤にかけて金を選ぶ悪魔もまた
わたしのこころの端っこにも密かに隠れてるのでしょう
あの島の彼は言った「すべてはもう足りている」と
風にのって運ばれた三線の音にこころ満ちてく

涙の雨も歓喜(よろこび)の歌も知ってる
何も云わずに見つめてた
あの花に 今 答えを問え

水平線の遠くに浮かぶ
小さな小さな わたしの舟
右に左に揺られながら
オールをこの手に握りしめて

わたしたちは求めすぎた 夢と欲望の違いも知らず
長い旅は続いていく いつか誰かの灯火に
果てに浮かぶ あなたの舟 今日もまた追いかけてゆく
波にのまれ沈みそうな夜を越えた小さな舟

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